さよなら高校野球 -第9話-

天気予報は曇りだったのに、真夏の太陽が容赦なく球場を焦がす中、試合が始まった。こちらの投手は球も走っており、まずまずの立ち上がりと思われたが、序盤に2失点してしまった。しかし、2失点でなんとか踏ん張ってくれていたので、あとは打線が点を取るしかない。

しかし、ランナーは出すものの、あと1本が出ず、2対0のまま試合は終盤へと進んでいった。7回、ツーアウト満塁の好機に主砲が打席に立つという場面を作った。だが、痛烈なゴロをサードがはじくものの、二塁走者がタッチされてアウト・・・1点でも入れば流れが変わると思うのだが、1点が近くて遠い。

そしてとうとう、2対0のまま9回裏の攻撃を残すのみとなってしまった。打順は下位打線からの攻撃だが、ランナーを出してなんとか上位に回したい。

最後の攻撃であり、スタンドではあらん限りの声を張り上げて必死の応援となった。すると、先頭バッターの二男の親友が、意地のセンター前ヒットで出塁した。

次のバッターは二男のこれまた親友が代打で登場したが、残念ながら内野フライに倒れた。

そして・・・ここで家の二男が代打で登場した。

9回裏1アウト1塁。2対0で負けている。この場面、チームに残されたアウトはあと2つしかない。だとすれば、この場面でもっとも大事なのは自分がアウトにならないで次の打者に回すこと、ただその一点だ。

僕はとにかく心の中で神様にお願いした。「四球でもエラーでも何でもいい。二男が何とか塁に出られますように ! 」何回祈ったかわからないほど祈り続けた。

結果、二男は相手投手の変化球をしっかりと見極め、四球で出塁した !

二男は長距離打者なので、長打が出るに越したことはないが、それより何よりこの場面、この土壇場では「自分がアウトにならない」ことが最優先事項だ。そしてそれは言うほど簡単なことではない。

しかし、その仕事を、チームに託された大事な仕事を彼は見事に果たした。これは、誰のおかげでもなく、小学校時代から積み重ねてきた彼の努力、その集大成なのではないか。少なくとも僕はそう思っている。

1アウト1・2塁となり、打順は1番に返った。しかし、1番バッターはショートゴロでいよいよ2アウト、追い詰められた。

ここでバッターは2番。このバッターはとにかくしぶとい粘りをみせる好打者だ。そして次の3番バッターはチームのもっとも頼りになる主砲だ。僕は追い詰められたこの場面で、必死に、とにかく必死に次の3番バッターに回るように祈っていた。何度も何度も祈っていた。

自分がアウトになってしまったら試合終了、そんな緊迫した場面でこの2番バッターはしぶとく四球を選んで出塁した。家の二男同様、きっと彼の過去の努力が彼を助けてくれたのだ。

ついに、ついに満塁となり、主砲まで皆でつないだ。9回裏、2アウト満塁。応援も、相手の苦しさも、こちらの苦しさも、すべてが極限状態に達した。

最終話へ続く

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愛犬ライムとのスプな生活のエッセイをつづったり、4コマ漫画的なコミックを描いたりしています。 イングリッシュ・スプリンガー・スパニエルの性格や特徴、グッズなどもご紹介しております。 なお、当ブログはリンクフリーです。リンクしていただいた場合、こちらもリンクしますので、コメント欄からお知らせください。
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