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結婚記念日 2020

  • Day:2020.12.11
  • Category:Essay
すこし前のエピソードになるが、ライムを埋葬した日の前日はライムパパとライムママの結婚記念日だった。

もう何回目の結婚記念日だろう。ちょっと数える気力が無いので伏せておきたい。ま、知りたい人もいないだろうけど。

結婚した頃はまだバブルの時代で、新婚旅行もバブリーだった。行先はタヒチだ。ヒタチじゃないですよ、タヒチですよ !

エール・フランスの飛行機に乗ってタヒチのボラボラ島という南国のリゾート地に新婚旅行に行ったあの日、それは本当に随分と昔になってしまった。

ソフィテル・マララというコテージタイプのリゾートホテルに泊まったのだが、本当にラグジュアリーだった。調子づいたライムパパは、甲殻類アレルギーなのにロブスターを食べ過ぎてしまい、体調を崩してしまったことを覚えている。

あの頃の二人は若かった。初夏の新緑のようだった。あれからたくさんの月日が流れた。3人の子供を授かり、子供達の成長を見守り、家族に迎えたライムに愛情を注ぎ、そしてライムを見送った・・・若かりし日の二人には想像もできなかった日々だ。

そして、先々の結婚記念日をどう過ごしているか、それも若い頃の僕達には想像さえしていない未来だった。

結婚記念日は毎年ささやかにお祝いしている。ちょっといいものを食べるとか、本当にその程度なのだが、やはり夫婦の(そしてライム家の)ジェネシス(起源)と言うべき日なのでささやかにお祝いをしているのだ。

今年(2020年)の結婚記念日は昨年に続き、長男がコース料理を振る舞ってくれた。今年はイタリアンらしい。彼は料理が得意なのだ。

ちなみに、ラーメン屋でバイトしている次男も料理はけっこうデキるオトコらしい。そして長女もケーキ作りがプロ級だ。つまり、ライム家で料理がまったくできないのはライムパパとライムだけ、ということになる。ライムが旅立ってしまった今、ライムパパだけが取り残されてしまった格好になってしまった・・・

という訳で、長男が振る舞ってくれたコース料理をご紹介したいと思う。

アンティパスト。
kamo_negi.jpg
奥の「ネギの鴨肉巻き」が秀逸でした。ネギが下仁田ネギというブランドネギでとっても甘く、トリュフ塩で味付けされた鴨肉とよく合っていました。

こちらはライムママが飾った家のバラ。
2020_rose.jpg

ハマチのサラダ。
hamachi_sarad.jpg
酸味のきいたドレッシングがさわやかな一品。

スープ。
rata_soup.jpg
ラタトゥユ風。

メインその1。
yawaraka_poak.jpg
豚肉のやわらか煮込み。

メインその2。
ram_mini_steak.jpg
ラム肉の一口ステーキ。

たいへんおいしゅうございました。長男くん、ごちそうさま。

ちなみに、この日はここまででお腹一杯になってしまったので、デザートは翌日に長女が振る舞ってくれました。

ティラミス。
tira.jpg

長女の作るスイーツは本当においしくて、「お店の味」といって過言ではないのだ。ごちそうさまでした。

ところで、毎年、ライムパパは結婚記念日にライムママにささやかなプレゼントをしている。本当に気持ちだけのささやかなプレゼントだ。

ささやかではあるけれど、あれこれ考え、気持ちを込めてプレゼントを贈っている。

今年は化粧ポーチを贈った。
gama_poach.jpg

洗面カウンターに置いてある彼女の化粧ポーチがいつもパンパンなのを見て、もう少しゆとりがあってメイク道具が取り出しやすいポーチがあるのでは、と思い、チョイスしたものだ。がま口になっているので開けやすいし、大きく開くのでメイク道具も取り出しやすいはずだ。気に入ってくれると良いのだけれど。

ライムママは僕に何もくれないが、それでいいと思っている。僕だけが彼女にプレゼントできればそれでいいのだ。

それはなぜかというと――

ライムママは毎日家族のためにおいしい料理を作り、そうじなどの家事も家族のために頑張ってくれている。もちろん、僕や長男も多少の家事はやるが、比率からいったらライムママが断トツだ。だから、ほんのちょっぴりではあるけれど、感謝の気持ちを贈りたいのだ。

いつだったか、ズムサタという番組で「ありがとう」の反対語は何か、という話題を取り上げていた。「ありがとう」の反対語、皆さんはおわかりになるだろうか。

答えは「あたりまえ」だそうである。

「やってもらって当たり前」と考えてしまっては「ありがとう」という感謝の気持ちは出てこない。だが、どんなことだって「当たり前」なんていうものはない。

ライムママが家族のためにしてくれること、今までしてくれたこと、それを「当たり前」などと思ってはいけない。「ありがとう」という気持ちを忘れてはいけない。

どんな身近な人であっても「感謝」の気持ちを忘れないようにしたい。

「感謝」というその言葉は、自分も子供達も、心に刻むべき2文字だと思っている。

ライムママ、いつもありがとう。

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埋葬

  • Day:2020.11.24
  • Category:Dog
2020年11月22日、ライムの埋葬をした。

ライムが旅立ってから1ヵ月半ちょっと。墓標プレートは完成していたので、本当はもっと早く埋葬してあげることもできたのだが、家族のスケジュールが合わなかったので延期していたのだ。そしてようやくこの日、家族のスケジュールの都合がついたのだった。

東京で1人暮らしをしている次男は無理だとしても、一緒に住んでいる家族は立ち会い、皆で埋葬してあげたい。そんな想いから皆のスケジュールが合う日を待っていたのだ。

午前中は長男と一緒に洗車をした。曇り空だったが、11月下旬にしてはさほど寒くはなかった。それでも、ウィンドブレーカーを着ての洗車に、「つい数回前の洗車時は半袖だったのにね」なんて会話を長男とした。

2~3週間に1度の間隔で洗車をしているので、数回前はまだ残暑、そんな季節だった。

そして「その頃は外に出たいライムが玄関で待ち構えていたのにね」なんて会話に、「本当にちょっと前まではライムがいたのにな」なんてちょっぴりセンチメンタルな気持ちになった。

なんだかライムが旅立ってから随分たつような気がするのだが、実はまだ最近までライムは僕達と暮らしていたのだ。本当にちょっと前までは、こうしてブログを書いている僕の隣にライムは寝転んでいたのに。

時は無情に流れていく。時には急いで。時にはゆっくりと。

つい数日前は見事な紅葉で鮮やかな秋を演出していた庭先のイチョウは、前日の強風のせいか葉がすべて散ってしまった。黄色い葉を落としたイチョウはとげとげしい枝があらわになり、打って変わって寒々しい姿になっていた。

前日、「明日は長女の部活が午前で終わるので、午後は皆家にいられるから、ライムの埋葬をしようか」とライムママと話していた。

新型コロナの第3波の影響でどこも行けないから、埋葬が終わったら庭でバーベキューをしようか、なんてアイデアも出ていた。ライムの供養にもなりそうな気がしたし。

しかし、庭でバーベキューというアイデアはお蔵入りになった。なぜかというと、前日がライムパパとライムママの結婚記念日だったので、長男がイタリアンのコース料理を振る舞ってくれたのだ。その結果、かなり食べ過ぎてしまい、ライムパパもライムママも少し胃もたれしてしまったのだ。なので、「バーベキューはやめておこう」ということになったのである。

ライムパパと長男で車3台(ライムパパ、ライムママ、長男の車)を洗車をした後、部活が終わった長女をライムママが迎えに行った。

そして、長女が帰ってきた午後、皆でライムを埋葬することになった。

曇り空だった午前中の雲はいつの間にか消え去り、陽光が静かに降り注ぐ穏やかな日曜日になった。

場所はすでに決めてあった。キッチンガーデン(家庭菜園)の隣、庭の南東で一番日当たりの良い場所だ。他の場所も候補にあがったのだが、ライムパパの意見を通させてもらった。ライムのために一番日当たりの良い場所にしてあげたかったのだ。

昔、白樺が植えてあった場所で、ちょうどいい具合に地盤が少し盛り上がっている。埋葬後、埋めた土が沈むことを考えると少し地盤を高くしておきたいので、場所はここがベストだろう。

maisou_basyo.jpg
スコップは、昔、家を建てた時にガーデニング用に購入した「Smith & Hawken」(スミス アンド ホーケン)という海外ブランドのものだ。ライムパパのこだわりの1品なのだが、普段、あまり出番はない。

穴を掘る力仕事は若い長男に任せた。

maisou_horu.jpg

地盤は固くなかったので穴はすぐに掘れた。

僕はライムの遺骨を直接土の穴に入れるのは心理的抵抗があった。なので、ライムママに頼み、布を用意してもらい、布でくるむように埋葬してあげようと提案した。綿や麻などの自然素材ならばいずれ土に還るので問題はないはずだ。

土の穴に置いた布の上に、皆でライムの遺骨を置いた。小さな骨も全部入れた後、最期にライムの頭蓋骨をライムパパが置いた。

ライムの顔を家の方向に向けて置いた。そして、「ライちゃん、ここで寝んねしな。」と言いながらライムの頭を撫でてあげた。その声は涙声になっていた。

家族皆でライムの頭や顔を撫でてあげた。

そして、静かに布を折り返すようにライムの遺骨にかけた。

maisou_nuno.jpg

長男が土をかけ、ライムパパが墓標プレートを設置した。墓標は家の方向に向けて置いた。

「ママが天国に行く時、パパと一緒に迎えに来てね。」とライムママが声をかけた。ライムママの中では、僕はライムママよりも先に天国に行くことになっているらしい。実際、僕も異論はないけれど。

maisou_bohyou.jpg

これから冬になるので、今は墓標の周りは土のままだが、春になったら芝やお花を植えてあげよう。芝桜なども良いのでは、と長男が言っていた。

大好きだった煮干しのおやつをお供えして、ライムママが庭の花を添えた。

maisou_hana.jpg

ライムママは泣いているようだった。

皆でライムの墓前で手を合わせた。

ライちゃん、安らかに・・・


ライムが亡くなり、火葬してからも遺骨は家のクレートの中にあった。なので、「ライムの旅立ち」はまだ道中、僕にはそんな感覚があった。

しかし、ライムの埋葬が終わり、真の意味で「ライムは旅立った」ような気がする。ライムとの別れの物語、その本をそっと閉じる時が来たのだ。

ライムの埋葬というセレモニーは、大きな節目として心の中に刻まれた。

埋葬を終えたその日の午後、リビングのソファでスマホを手に取り、ライムの写真や動画をライムママや長女が見ていた。その写真や動画を見せてもらっていると、本当にライムが隣にいるような感覚に襲われる。

ライムは庭で静かに眠る。

でもいつも一緒にいる。きっといつの日も。


僕が墓標に刻んだメッセージはこうだ。

“Always With You”(いつも一緒だよ)

これは僕達家族からライムへのメッセージでもあり、ライムから僕達家族へのメッセージでもある、そんな風に思っている。

lime_bohyou_2.jpg

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ライムの墓標制作への道(Final Episode)

  • Day:2020.11.01
  • Category:Dog
何回かメールでやりとりした後、ショップから送られてきた墓標デザインの最終確認をして、月曜日の夜にメールでGoサインを出した。すなわちライムパパのデザインで墓標の制作が開始されることになったのである。

月曜日の夜に制作開始の承認をしたので、実質、制作開始は火曜日だと思うが、水曜日には発送連絡のメールが来た。2日で制作できてしまうとは早いものだ。

石にデザインするのはサンドブラスト(砂状の研磨剤を吹き付けて彫刻する技法)だと聞いていたが、デザインさえ決まれば石にマスキングをしてサンドブラストして・・・というように手馴れた手順で進むのだろう。

そうして完成し、送られてきた墓標がこれだ。
bohyou_hassou.jpg

デザイン案については一切の妥協を排して作ったので苦労も多かったが、僕がデザインしたとおりの墓標が完成したのは感慨深い。心を込めてデザインした墓標なので、ライムも喜んでくれるだろう。

ただし、あらかじめ説明を受けてはいたのだが、屋内で見ると印影が薄く感じる。太陽光の下ではコントラストがはっきりすると聞いていたので、ライムの遺骨を埋葬する時に外で見れば本来の仕上がりが確認できるだろう。

週末、庭に埋葬しようと考えていたが、長女も立ち会いたいということをライムママから聞いた。元々、東京にいる次男は無理だとしても、埋葬する時は長女も立ち会ってもらおうと考えていたので、お互いに意見が合ったということか。

長女のスケジュールを確認しようとは思っていたのだが、ライムママによれば、長女の帰宅は夕方5時くらいになるという。土日は高校自体は休みだが、吹奏楽の部活があるのだ。1歩進めば11月というこの季節、その時間ではかなり暗くなってしまうので無理しない方が良さそうだ。

墓標プレートは完成したけれど、埋葬自体は「いつまでに」という決まりがある訳でもないので、皆のスケジュールが合う日にやればいいだろう。

そんな事情で、週末の土曜日はライムパパ、ライムママ、長男の3人で庭に出て、ライムの遺骨を埋葬する場所を決めるまでにしておいた。

こんな日は1年に何日あるだろう、というような、まったく風もない穏やかに晴れた秋の日だった。

いくつかの案があったが、ライムパパの希望により、庭の南東の一番日当たりの良い場所を選んだ。小さなキッチンガーデン(家庭菜園)の隣で、ダイニングルームの掃き出し窓から庭に出るとすぐに目に入る場所だ。やはり日当たりの良い場所の方がライムも嬉しかろう。

庭で、太陽の下で墓標を見てみると、室内よりも印影がはっきりして本来の仕上がりが確認できた。

こんな感じだ。(スマホが映り込んでしまっているが)
bohyou_sotode.jpg

ライムパパのお気に入りの1枚が彫刻された墓標プレート。

実際には、ライムのお気に入りの写真、それは家族それぞれにあるのだろう。ライムママなど、僕がスマホを見ていようが新聞を読んでいようがお構いなしに「見て見て、このライム可愛いでしょう ? 」と割り込んでくる。そうやって、スマホに保存しているライムの写真を見せつけてくるのだ。本当に彼女はワンコみたいにマイペースである。

でもそんな風に、家族それぞれにお気に入りのライムの写真がきっとあるのだ。だけど、今回はライムパパお気に入りの1枚を使わせてもらった。墓標プレートについては、家族は僕に任せてくれた。

そうして仕上がった墓標を見て、家族も気に入ってくれたみたいだ。そしてきっとライムも。

もう少ししたら家族のスケジュールが合う日が見つかるだろう。そうしたらライムを埋葬してあげよう。


ライムが旅立ってからちょうど1ヵ月だ。

ほんの1ヵ月前はライムと暮らしていたのにな・・・

リビングのソファに座り、ライムママが「1年前のライムはどんな感じだったかな」、なんてスマホの写真を探して見せてくれた。

そこにはいつもと変わらないライムが写っていた。

このエントリーを書いている夜中、自分のスマホでも1年前のライムを探してみた。すると、ぴったり1年前ではないが、ほぼ1年前の2019年10月28日の写真が出てきた。

そこにはライムがソファに座るライムママのひざに前足を乗せ、ライムママの顔をペロペロしている写真があった。
Lime_2019_10_28.jpg

ライムママは迷惑そうにしてるけど、実は嬉しい、といった感じだ。僕はこの写真に写るライムとライムママの気持ちが手に取るようにわかる。

そして、写真に写るライムの毛並みを見ただけで、「ここを撫でるとこんな手触りだな」なんて感じることができる。しみついているのだ。

この時はたいして深い考えもなく撮った、なんでもない1枚の写真。

この頃は新型コロナもなかったし、ライムも元気だった。

いろんな想いが交差する秋の日だ。

<このシリーズおしまい>

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ライムの墓標制作への道(Episode 2)

  • Day:2020.10.28
  • Category:Dog
「このデザインのとおり制作することは可能ですか ? 」とショップにメールで問い合わせたところ、「技術的な事情によりできない」という返事が返ってきた。

「は ? 」「なぜこの程度のことができない ? 」とメールの返信を見て目を疑った。

しかも、普通はメール文の冒頭に「お世話になります」などの挨拶文を入れるのが社会人としてあるべきビジネススタイルだと思うが、いきなり前置きもなく「技術的な事情によりできかねます」と来たもんだ。これははっきりいって地雷かもしれない。嫌な予感がした。

代わりにライムパパのデザインを元に「いつものテンプレートにあてはめただけ」みたいなデザイン案が送られてきたので、当然すぐに修正依頼をした。

まず、フォントが壊滅的にダサいのでフォントの変更を頼んだ。提案されたフォントはお世辞にも洗練されているとは言えないゴシック体で、文字の間隔も不自然で文章のプロポーションが悪い。

通常、英文には和文フォント(MSゴシックなど)は使わない。プロポーションが悪くなるからだ。そのような原則を知らないのだろう。

自分がグラフィックデザインに使うフォントはゴシック(英語ではサンセリフ体)が多い。モダンな印象になるからだ。だが、こういった墓標のようなものに使うフォントは明朝体(英文ではセリフ体)を使うべきと考えている。

墓標というのは厳かで崇高なものだ。たとえワンコであってもそうだ。そういうシチュエーションに使うフォントはやはり明朝体(セリフ体)が合うと考える。ゴシック体(サンセリフ体)ではカジュアルな印象になってしまう気がするのだ。

そのような意味もあってフォントの変更を依頼した。

変更してほしいフォント名を伝えると「版権がないので使えない」という。

「フォントの版権」などと言い出すのは「変わってるな」と感じた。「こじつけ」のようにも思えた。普通、フォントというのは印刷されたりすることを前提に制作されているので、「フォントデータを勝手に配布」みたいなことをしなければ著作権上の問題はないはずだ。

とは言うものの、真面目にコンプライアンス的な事を心配しているのであれば、あながち全否定も悪い気がする。

なので、自分が使いたいフォントと似たような版権フリーのフォントを探した。手間ではあるけど。

つか、こういう場合、顧客が使いたいというフォントの使用が無理であれば、「こちらではどうでしょうか」と代替案を提示するだろ普通。

文句を言っていてもらちがあかないので、気を取り直して探し続けた。自分が納得できるフォントはすぐに見つかると思ったが、ライムパパは細かい所でも妥協したくない「こだわり派」なので、なかなか「これだ ! 」というフォントが見つからない。

あれでもない、これでもない、とネットを探しまわりやっと「これなら」という版権フリーのフォントが見つかり、そのフォントを使うように頼んだ。パソコンにそのフォントを入れる方法もご丁寧に教えてあげた。普通、デザインをやる人にそんな説明をするのは「釈迦に説法」になるのだが、どうもプロっぽさを感じないのでそうしたのだ。

すると、あろうことか、向こうが最初に提示したデザイン案で制作を開始する、という返事がきたのである。

開いた口がふさがらないとはまさにこのことである。フォントの修正を指示し、そのフォントのインストール方法まで教えて差し上げたのに、それを完全無視して最初の「ダサい案」で制作開始すると高らかに宣言したのだ。悪役レスラー並みのワイルドさである(笑)。

「修正を頼んだのに勝手に制作開始すんじゃねーよクソが ! 」「フォントの件の回答しろやゴルァ ! 」というようなことを丁寧な言葉でたしなめると、このような回答が返ってきた。

「誠に恐れ入りますが、フォントは定まっていて変更できません」

は ? 「版権がないからフォントの変更ができない」って言ってたのに、大ウソやんけ ! わざわざ似た書体の版権フリーフォントを探してインストール方法まで教えてやったのに、とんだ骨折り損、徒労だった。

ショップの説明にあった「できる限り要望にお応えします」とは一体なんだったのか。フォントの変更さえやろうとしないとは・・・

ライムパパはすぐに「そのフォントは受け入れられないので、修正ができないのであればキャンセルをお願いします」と返信した。

ことライムの墓標制作については1ミリも妥協したくない、そういう気持ちで取り組んでいた。フォントはもちろん、字の大きさや配置など細部まで妥協したくはなかったのだ。それだけの思い入れがあるのだ。なのに、フォントの変更さえやろうとしないショップでは到底頼むことはできない。

塩対応ばかりのショップだったので、キャンセル処理もちゃんとしてくれるか不安だったが、意外にもすぐにキャンセル処理をしてくれた。のび太のあやとりと同様、唯一の取り得だった。

それにしても、ライムパパとしたことが、随分と無駄なことをしてしまった。ネットでの豊富な取引経験から、「ちょっとでも不安要素を感じる人とは取引しない」というマイルールを持っていたのに、それを活かすことができなかった。

最初の「機械的で一方的なキャンセル対応」を考えれば、取引すべきではない相手だった。反省。

気を取り直し、別のショップを探すことにした。いろいろと探していると、写真を墓標にデザインできる商品があったのでそこで頼もうか、と考えた。

墓標の石自体は希望の形ではなかったが、ライムママに相談するとライムの写真をデザインできるならその方がいいということだったので、そうすることに決めた。レビューの口コミも「親切だ」という意見が多いショップだったし。ま、値段はチト高くなってしまうのだけど。でもライムのためだからね。

写真入りの墓標になるので、まずは写真のチョイスが先決事項だが、ライムパパにはライムの「お気に入りの1枚」があるのですぐに決めることができた。

その写真はこの中のどれかだが、おわかりになるだろうか ?
My-Post3_2.jpg

正解はこの写真。
lime_bohyou_syasin.jpg

これはライムがまだ若い頃の写真だ。河川敷公園の夕暮れに撮った1枚で、ライムの笑顔が輝いている、僕のお気に入りの1枚だ。

ただし、墓標には写真の背景は入れずにライムだけを入れたい。なので、画像編集でライムだけを切り抜いた。

こんな感じだ。
lime_kirinuki_syashin.jpg

そして、墓標に彫ると白黒の表現になるので、このように白黒に加工した。
lime_kirinuki_shirokuro.jpg

実はこの白黒も濃淡をいろいろと調整して試行錯誤している。

また、ライムの毛は白とこげ茶だが、こげ茶の部分が石の黒い色に溶け込んでしまわないように、ごくわずかに白く縁取りを入れてある。

ぱっと見ただけでは気付かないが、実は色々と手が込んでいるのである。ものづくりには製作者しかわからない苦労のスパイスが入っているのである。

写真が墓標の半分を占めてしまうため、文字のスペースが小さくなる。なので、以前作ってあった「文字だけバージョン」の文字を少し変更した。

一番上の「Our Beloved Dog」は「Our Beloved」だけにして「Lime」に続くようにした。要するに「Our Beloved Lime」(愛するライム)にしたのだ。

「文字だけバージョン」では肉球を2つあしらっていたが、そのスペースがないためにハートと肉球をセットにして1つにまとめたデザインにした。これもライムパパ作だ。

そして、「Forever Loved and Missed」(いつまでも愛しているよ、恋しく思っているよ)というメッセージを「Always With You」(いつも一緒だよ)というメッセージに変更した。

これはスペースの問題というよりも、こちらの言葉の方が僕の気持ちをよりストレートに表現している、そう思ったからだ。

一旦は「Forever Loved and Missed」(いつまでも愛しているよ、恋しく思っているよ)というメッセージに決めたのだが、旅立ったライムへの僕達の想いとしてもっとふさわしい言葉があるのではないか、とずっと考えていて、やっとこの言葉にたどりついたのだ。

そうしてやっと完成した、ライムパパが作ったデザイン案がこれだ。
lime_bohyou_2.jpg

家族もライムパパのこのデザイン案を気に入ってくれたようだ。

この案で制作してほしいとショップにメールを送ると、ほぼライムパパの希望どおり制作可能ということだった。メールでのやりとりも迅速かつ丁寧で、最初のショップとは大違いだ。これなら満足できる墓標が完成しそうな気がする。

墓標の石へ写真を配置する範囲に制限があるため、ショップで若干の手直しをしたが、ほぼライムパパの原案どおりで制作開始することになった。

イメージしたとおりの墓標が完成してくれれば良いのだが。

<続く>

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ライムの墓標制作への道(Episode 1 )

  • Day:2020.10.27
  • Category:Dog
ライムが旅立ってから、しばらく「さよなら、ライム」の物語を書いてきた。

それは、自分の胸にしまってあった想い、いろんな情景・・・散りばめられた思い出を形として残す作業でもあった。

ミスチルの歌に「時は無情なほどにすべてを洗い流してくれる」というフレーズがある。

胸に焼き付いているライムとの思い出、それを忘れるなんてあり得ない。だが、今はそう考えているものの、大いなる時の流れの中で、記憶の細部は薄れてしまうのではないか、そんな怖さもあった。

そんな想いもあり、できるだけ細部も漏らさないように、砂時計の1粒1粒を見入るように「さよなら、ライム」の物語を綴った。それは、ライムとの思い出を大切にしたい、そんな心情からだ。

それと並行して、続けていた作業があった。

ライムの墓標の準備だ。

ライムの遺骨は家の庭に埋葬してあげようと考えてきた。そして、そこには墓標を置こうと思っていた。

その墓標をどうするか、ということをずっと考えていた。

庭にあまり仰々しい墓を建てることはしたくないと思っていたので、プレートタイプの御影石(みかげ石)をさりげなく置くのが良いかな、と考えていた。

ネットで探すとワンコ用の墓標を取り扱っている店舗もあったので、墓標プレートの形状が自分の希望に合う商品を置いている店舗に発注をした。

「文字入れなどのデザインが気に入らなければキャンセルOK」とのことだったので、とりあえず発注してみたのだ。

発注後、メールでデザイン案の制作をするためにワンコの名前などを聞かれたが、デザインは自分でしたいと考えていたので「少し時間をください」と返答した。時間をとってじっくり考えたかったからだ。

しかし、機械的に「デザインに必要な情報を5日以内に頂戴できない場合はキャンセルになります」というメールが来るばかりで、そのままキャンセルになってしまった。

こちらは「少し時間をください」と何回か返答しているのに、あまりに機械的な対応である。そんな対応に不安を覚え、やはり地元の石材屋さんに頼んだ方が安心だ、という考気ちが湧いてきた。

なので、同様の墓標プレートの形状を伝え、地元の石材屋さんに見積もりをとった。

そして、金額がそれほど高くなければ地元の石材屋さんに注文をしようと考えた。

しかし、地元の石材屋さんの見積もりはネット店舗のトリプルスコアに近いような高額だった。

似たような値段、あるいは少し高いくらいなら地元の石材屋さんに発注しようかな、なんて考えていたのだが、さすがにそこまで値段が違うとちょっと厳しい。多分、石に刻む文字の深さなど品質の違いもあるのだろうが、モノを買う時は値段も重要な要素だ。

やむなく地元の石材屋さんには丁寧にお断りの連絡をし、ネット店舗で一旦キャンセルになった商品を再注文をすることにした。

商品として表示されている墓標プレートの形状は希望どおりなので、あとはそこに刻む言葉をどうするか、だ。

前回は内容を決めていない状態で発注したのでキャンセルになってしまったが、今度はあらかじめ内容を決めて発注すれば問題ないはずだ。「できる限り要望にお応えします」と書いてあるし、きっと希望する完成品にたどりつけるだろう。

墓標プレートの内容についてはあれこれずいぶんと考えた。

その店舗では、ワンコのシルエットを入れることができた。スプリンガーのシルエットもあったのだが、それはライムのシルエットではない。同じ犬種であっても、他のワンコのシルエットを入れる気にはなれなかったので、文字だけのデザインにすることにした。

ライムの名前と生没年は当然入れるとして、何かメッセージを入れてあげたい。

それと、表記は英語にしようと考えた。英語表記の方がスタイリッシュというか綺麗だ。ライムは初めて会う人によく「綺麗な犬ですね」とほめられた。そんな綺麗なライムには綺麗な墓標を作ってあげたい。家が洋風なので雰囲気的にも合う気がするし。

ライムは日本生まれだが「イングリッシュ」・スプリンガー・スパニエルなので英国がルーツだ。なので、英語表記の墓標はきっと似合うだろう。

墓標に刻むメッセージはあれやこれやとたくさん考えた。

Forever With You
(いつまでも一緒だよ)

Forever in our hearts
(いつまでも心の中に)

Forever Loved and Missed
(いつまでも愛しているよ、恋しく思っているよ)

Our Love Goes On
(私たちの愛は続く)

いろいろ考えたが、実際はどれにしても正解なのだろう。だが、墓標に刻む言葉、ライムに贈るメッセージには並々ならぬ重みを感じていた。なので、簡単に決めることはできなかった。

しかし、迷っているだけでは事が進まない。そこで、「Forever Loved and Missed」(いつまでも愛しているよ、恋しく思っているよ)というメッセージに一旦決めて、デザインを考えた。

ライムパパは、こと「デザイン」に関してはこだわりがあり、画像編集なども得意だ。手前味噌になってしまうが、そんじょそこらの「二流や三流のプロ」だったら自分のセンスの方が上なのではないか、と思っている。

世の中には画像や映像を編集してお金を取る「プロ」がたくさんいるが、実際のところ、真に「プロ」と言えるのはほんの一握りで、はっきり言ってたいしたことないプロが掃いて捨てるほどいる。多分ライムパパよりもヘタクソである。そういう作品をたくさん見てきた。

それと、ライムの墓標については人任せにしないで自分で考えたい、という想いが強かった。

そんな理由もあり、墓標のデザインは僕が考えて案を作り、その案を忠実に制作してもらう、という流れにしようと考えていた。

そうして作った案がこれだ。

lime_bohyou_saisyo.jpg

「Our Beloved Dog」は最愛のワンコ、要するに「愛犬」という意味だ。

文字だけだと寂しいので、肉球を自分で描いて斜めに添えた。

一番下のメッセージは「Forever Loved and Missed」(いつまでも愛しているよ、恋しく思っているよ)とした。

墓標プレートもいろんなものがあり、シンプルなもの、変わった形状のもの、立体的なものなど、さまざまだ。

この時チョイスした墓標プレートには基本的に文字を基本としたシンプルなタイプだった。なので、文言だけ決めればあとはスイスイ、と思われたが、実際はこれだけのデザインに相当時間を費やした。

メッセージを決めるのにも時間がかかったが、フォントの種類、文字の大きさや配置、文字以外に入れるもの(この案では肉球)など一つ一つ吟味しながら作ったので、全体としてはかなり時間を使っているのだ。

そうして、やっとできたデザインのデータをpdfファイルにしてショップに送付した。pdfファイルは一般的に入稿にも使えるデータなので、もしかしたらそのまま制作用のデータとして使えるかもしれないと思ったからだ。

しかし、この後、あり得ないやり取りが続くことになるとは、この時点では知る由もないライムパパなのであった・・・

<続く>

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